医療費負担が1割になる「自立支援医療受給者証」

福祉制度

「自立支援医療制度」をご存じでしょうか?
精神障害者手帳をお持ちの方ならご存じの方が多いと思います

医療費の自己負担額が1割に軽減されます

自立支援医療制度とは国が「重度かつ継続」に該当する障害を持つ人のために
用意した公費負担医療制度です

「心身の障害を除去・軽減するための医療について、医療費の自己負担額を軽減する」と厚労省HPには記載されています
通常、保険加入者であれば3割の自己負担であるところを
「自己負担額を1割」にしてくれる制度です

どういう人が対象になるの?

  • 精神通院医療:精神保健福祉法第5条に規定する統合失調症などの精神疾患を有する者で、通院による精神医療を継続的に要する者
  • 更生医療:身体障害者福祉法に基づき身体障害者手帳の交付を受けた者で、その障害を除去・軽減する手術等の治療により確実に効果が期待できる者(18歳以上)
  • 育成医療:身体に障害を有する児童で、その障害を除去・軽減する手術等の治療により確実に効果が期待できる者(18歳未満)

と記載されています

お役所特有の非常に分かりにくい説明ですが
メンタルクリニックなどに長く通院している方なら大体が該当します
医師が「継続した通院が必要」と判断すれば摘要される制度です

厚労省HPの「対象となる主な障害と治療例」では以下のように書かれています

(1)精神通院医療:精神疾患→向精神薬、精神科デイケア等
(2)更生医療、育成医療
ア.肢体不自由・・・関節拘縮→人工関節置換術
イ.視覚障害・・・白内障→水晶体摘出術
ウ.内部障害・・・心臓機能障害→弁置換術、ペースメーカー埋込術、腎臓機能障害→腎移植、人工透析

私のように長く精神科(メンタルクリニック)に通院している場合は(1)の対象となります

申請の方法は?

私の場合は手帳の申請と一緒に自立支援医療制度も申請しました

親切な主治医であれば同時申請を勧めてくれると思いますが、自分から相談する場合は
「障害者手帳の申請」「自立支援医療制度の申請」をどちらも行いたいと伝えましょう

市区町村によって違いはありますが、診断書の中に「自立支援医療制度」に必要な項目もしくは書式があるようです
診断書の種類によって更新も同時に行えます

以前通っていたクリニックの主治医は「手帳の更新に必要な診断書をお願いします」
と言ったところ手帳の更新のみの診断書を出したため、
自立支援医療受給者証が更新されなかったことがありました

後日その医師に訴えると「手帳の更新用ってしか言わなかったでしょ?」と言い返されました
正直、素人の患者にはわからないことなので嫌な気分になりました

申請は住んでいる市区町村の障害福祉課などの窓口で

住んでいる管轄の市区町村の窓口で申請を行います
私の地区の区役所は「精神保健福祉課」があり、「福祉課」とは異なる窓口でした
(わかりづらい!)

窓口で「自立支援医療の制度を利用したい」と伝えれば必要な書類を渡してもらえます

医師に相談 → 区役所で書類をもらう → 医師に診断書をもらう → 書類に記入して区役所に提出
この順番で行うのがスムーズだと思います

申請に必要な書類は?

  • 申請書(支給認定申請書)
  • 主治医の診断書
  • 世帯所得が確認できる書類
  • ※課税証明書・非課税証明書や生活保護受給証明書など、所得状況を証明する書類です。窓口は別ですが、役所で手に入ります

  • 健康保険証
  • マイナンバーが分かるもの

マイナンバーについてはマイナンバー記載の住民票を1枚とっておくと便利です
マイナカードを持っているなら、それに越したことはありません
※自治体によっては必要書類が異なる場合があるため、あらかじめ担当課や地域の保健福祉センターなどにお問い合わせください

診断書は障害年金の申請用などに比べて安価だと思います
私の主治医の場合は「年金用:1万円」「手帳・自立支援医療用:5,000円」でした

更新は年1回

有効期限の3ヶ月前から更新の手続きが可能になります
※更新時は2年に1回診断書が必要になります

今年は新型コロナの影響で「更新手続き不要」となり有効期限が1年延びました

病院の受付の人が「更新時期なので区役所に行ってください」と言ってくれたので
区役所の窓口に行ったのですが「今年は不要なんですよ」と言われ、手書きで有効期限が書き直されました

こういう情報は周知されないので不便ですよね~

申請から1か月~2か月経つと届く受給者証

障害者手帳・自立支援医療は申請して認められるまでおおよそ1か月~2か月かかります

障害年金の審査よりは遙かに早いですが、それでも役所の手続きは時間がかかります
なるべく早めに動かれることをお勧めします

受給者証と自己負担上限額管理票が届く

申請が受理されると「自立支援医療受給者証」と「自己負担上限額管理票」が届きます

この2つはセットで病院及び処方箋薬局に提示しないといけません
これを提示しないと通常の医療費負担額を請求されます
(通常、保険加入者であれば3割の負担)

自立支援医療受給者証の提示により自己負担額は1割になります
(例)自己負担額3割:1500円 → 自己負担額1割:500円 
こう考えるとかなり安くなります

メンタルの病気には休養が必要です
なので短時間勤務や休職中の人にとって、診療代や薬代は大きな負担になってきます

経済的な不安を和らげるためにも「自立支援医療制度」や「障害者手帳の取得」を
早めに申請するのをお勧めします

自分を守るために利用できる国の制度は利用しましょう!